島田 荘司 単行本 新潮社 2010/06 2,625円
わずか十ヶ月間の活躍、突然の消息不明。写楽を知る同時代の絵師、板元の不可解な沈黙。錯綜する諸説、乱立する矛盾。歴史の点と線をつなぎ浮上する謎の言葉「命須照」、見過ごされてきた「日記」、辿りついた古びた墓石。史実と虚構のモザイクが完成する時、美術史上最大の迷宮事件の「真犯人」が姿を現す。

現代と江戸時代を交互に書きつつ、写楽の正体を探るお話。
いやはや、たいそう読み応えがあって面白かったです。
特に江戸時代の、写楽の浮世絵を世に出した版元の描写が素晴らしく、ひきこまれました。
でも読み終わってから、あれ~?っと……。
現代の、このお話の本当の主人公のほうの問題やら悩みがほとんど解決していないのですね。
う~ん、中途半端。
と思っていましたら、あとがきにこれだけのページ数なので削った部分があること、そして続編の構想もあると書かれてありました。
続編……何年後になるのかな。
気長に待ちますー。

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